四畳半商店 店主ドードーの日記

四畳半商店の事と心のうちを出しています。

フィリピン・カダクラン村の手編み箒作りを訪ねた。〜その2〜

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一夜明けて、やはり霧がすごい。

 

むしろ朝から小雨がパラついているではないか。

 

「午前中に箒作りを見て、午後タイガーグラスの農園を見に行こう」

 

と昨晩話し、決めていたが、雨が降っている。

どうするか。

 

「いつも午後になると雨が強まるから、先に農園行こう」

 

Samaさんが言った。

 

山の天候は山に住む人間がよく知っている。

Samaさんの言う通りに予定変更した。

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「1時間弱のハイキングだよ、へへ」

と笑うSamaさん。

 

奥さんのRudさんも同行してくれ、三人で農園へ向かった。

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ちゃんと長靴がサリサリストアに置いてある。

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平地のサリサリではこれだけ豊富に長靴は早々ないだろう。

 

400ペソとなかな良い値段だったが、次回来た時に使えると思い購入した。

 

お金の感覚は田舎に来るほど、現地の感覚に近くなる。

 

今の日本円レートなら、1000円だ。

 

さて、準備は完了だ。

 

傘を借りて、町の中を通り、田んぼの方へ降りて行く。

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途中でさまざまな親戚や知り合いに出会う。

皆んな顔見知りのようだ。

 

田舎特有の近所付き合いだ。

 

いつもこういう光景をみると、長野の木曽にいた頃を思い出す。

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Samaさんは8人兄弟の末っ子で、Ashleyさんが長男だ。

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途中で会った、良い色になったラタンのバッグを背負っていたおじさんもSamaさんの家族(確か二番目のお兄さん?)だと後から知った。

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「この感じはすごく好きだ。」

 

埼玉の田舎でサニトラを乗ってコンビニに来ていた70歳くらいのおっちゃんがとてもカッコよく見えた。

 

荷台に良い感じにくすんだ杉の板で蓋していたところがまた良かった。

 

カッコいいサニトラに職人のおっちゃんっていう図が好きだった。

 

それと同じで、オシャレや流行としてではなくて、むしろそんな事にあまり興味の無さそうな暮らしをしている人々が、こんなラタンのカッコいいバッグなんかを何気なく普段使いしている事がとてもカッコイイ。

 

僕の憧れのスタイルだ。

 

自然で純粋な暮らしや生き方の中に美がある。

 

意識せずにいられないが、意識してはいけない。

 

無意識の感覚・センスなんだと思う。

 

そんな風になりたい。

 

世の中の暮らしに、そういうモノと人との関係がさり気なく垣間見れると、きっと楽しい。

 

少しダサかったり、抜けてるような感じが良い。

 

「甲」ではなくて「乙」だ。

 

古田織部も言っている(漫画のへうげものでね実際も言ってたのかも。)

 

完璧にカッコつけない方が僕は好きだ。

 

根底にある美しさが絞られて、表れる気がしている。

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さて、完全に脱線だ。 

小さな学校や教会を抜けて、田んぼへ下る。

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石の階段が結構急だった。

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階段を降りると、すぐ一面ライステラスだ。

人ひとり通る幅だけの、ヌカルんだあぜ道。

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「歩くのは気持ちよかった。」

 

ぬかるみに対しバランスを保ちながら、しんしんとした雨季の田んぼの中を歩くのは初めてだった。

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山のため、一年の中で3月〜6月以外は、ほとんど雨だそう。

 

石組みのライステラスには、綺麗な苔やシダ植物が広がっている。

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20分くらいだろうか、昔Samaさんたちが住んでいた家に到着。

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昔はこの田んぼの真ん中で暮らしていたそう。
今は空き家でニワトリと猫が住んでいる。

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脱穀に使っていた木製の臼が良い形をしていた。

石の物もあった。

今は機械があるため、使わなくなったそうだが、歩いている途中の何件の家にも見かけた。

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なぜか真ん中を窪ませる形に全てなっていた。

石製も木製も。

 

移動させる時に持ちやすいし、削りとる分、軽くもなる。

 

何より見た目が軽快で面白い。

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穴は外形に沿って、逆三角形のような形だ。

 

日本の一般的な餅つき用の臼とは用途も違い、より米の脱穀しやすい形状なのかもしれない。

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さて、わかりずらいけど、家の周りにはラタンやタイガーグラスが少しあった。

 

上の写真のトゲトゲのがラタンだ。

そしてラタンの実を初めて食べた。

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アルマジロのような外皮だ。

 

思い返すとコーヒーツアーで行った農家さんでもらって食べたのが最初だ。

 

ただ実際に生えているところが見れて良かった。

 

味はかなり酸っぱい。

 

レモン以上で、僕の中では一番酸っぱいと思った。

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ラタンは近くで取れなくなってきているそうだ。

 

そのためSamaさんは、片道7時間の山奥へ行き、ラタンを取ってくる。

 

ラタンを取りは3、4ヶ月に一回ほど、4、5日山奥に滞在するほどだ。

 

「ラタンも植えなければならない」

 

Samaさんはタイガーグラス以外も全て自分で材料を調達している。

 

ラタンは7-10年で使えるようになる。

 

太いものは箒の柄の芯に。

編み込みには綺麗なラタンを選んでいる。

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これがタイガーグラス。

背は2メートル以上ある。

 

穂になるのは先の30cmだけだ。

 

この家からすぐ先にタイガーグラスの農園があるとのこと。

 

次回は農園へ行った時のお話を。