四畳半商店 店主ドードーの日記

四畳半商店の事と心のうちを出しています。

フィリピン・カダクラン村の手編み箒作りを訪ねた。〜その5〜

f:id:dodosachio:20180209185343j:image

箒作りを一から見せてくれたので、紹介したい。

 

まずは穂の部分を作る。

乾燥させたタイガーグラスを、専用のメジャーで一定の大きさにする。

f:id:dodosachio:20180209185444j:image

「これは私の担当なの」

と妻のRudさんが手伝う。

道具も自分達で工夫して作っている。

Uの字の部分に穂を詰めてはかるようになっている。

 f:id:dodosachio:20180209185515j:image

計った穂を束ねるため、乾燥したアノスを幅1ミリ程度に割き、薄くする。長さはおおよそ40cm程度だ。

 f:id:dodosachio:20180209185700j:image

しっかりと穂を束ね、繰り返し編んでいく。

穂のゆるみを抑えるだけでなく、美しさを持ち合わせた編み方だ。これを6束作れば穂は完成だ。

 f:id:dodosachio:20180209185743j:image

次に箒の柄の芯を用意する。

太いラタンを四つ割にし、小刀で円柱形に削っていく。

 f:id:dodosachio:20180209185809j:image

大中小とそれぞれ大きさが少しずつ違う。

この柄の太さを確かめる道具もSamaさんの自作だ。

 f:id:dodosachio:20180209185842j:image

手で作ると言えど、一定の大きさの統一は欠かせない。

ただ機械でない限り、同じものを複数作るのは難しい。

僕はいつも目で見て、違和感を感じない手作業の誤差は、むしろ自然な心地良さになると思っている。

逆に機械で作られたものには、完璧すぎる不自然さを感じる。

 

日々モノを見るなかで、人間の目が認識する心地よいバランスが発見できると面白い。

 f:id:dodosachio:20180209190039j:image

さて、箒作りに戻る。

 

柄の部分が終わると、6つに縛った穂にタイガーグラスの茎の部分を差し込んでいく。

f:id:dodosachio:20180209190129j:image

茎の先を尖らせるように、ナイフで削いでいく。

これを先ほどのアノスで縛った穂の根元に差し込んで、ラタンの柄の部分と編みこまれる部分になる。

f:id:dodosachio:20180209190631j:image

6本全て差し込む。 

f:id:dodosachio:20180209190712j:image

それを3つずつの束にして、針金で抜けないように挟んで固定する。

f:id:dodosachio:20180209190845j:image

2つの穂の間に、先ほどのラタンの柄の芯の部分を間に入れて、部分的に針金で固定する。

f:id:dodosachio:20180209190928j:image

こんな感じで箒の原形が出来てきた。

これを初めから作り出した人はすごいなと思いつつ、どう編み込んでいくか楽しみになっていた。

 f:id:dodosachio:20180209233559j:image

編み込みの始まりは柄の根元部分からだった。

グルグルとラタンを巻きつけていく。

f:id:dodosachio:20180209233946j:image

途中からこの箒の柄の特徴的な編み方に変わっていく。

3個飛ばしでラタンを編み込んでいくと、そこに編みのデザインが生まれる。

f:id:dodosachio:20180209234224j:image

この編み方によって、ラタンとタイガーグラスの茎の部分が編み込みあっていく。 

f:id:dodosachio:20180209234521j:image

あれよあれよと編み進んで行き、フックのアバカを取り付けるところに差し掛かった。

 

このアバカの紐も、抜けることのないように、ラタンでしっかり編み込まれる。

f:id:dodosachio:20180209234825j:image

残りはもう少しだ。

穂をゴムで締めた状態で、穂の根元の部分の編み込んでいく。

f:id:dodosachio:20180209235144j:image

キリを使いながら、編み込みの間を通し、形を作っていく。

f:id:dodosachio:20180209235412j:image

どこをどういう順番で通していくか、見ているだけではよくわからないが、動画も追い追いSNSで共有していきたい。

f:id:dodosachio:20180209235619j:image

ハサミで穂の長さを切りそろえれば完成だ。

 

とても無駄なく、簡単そうに作っていた。

 

熟練した職人の動きは無駄がなく、簡単そうに見えるものだ。

 

材料から山で育て、収穫して、それを編んで箒になっている。

 

ここまで手が掛かっているとは思わなかった。

 

しかもすごい田舎で、こんな人達がいたものだと感心した。

 

反町さんの努力もあり、とても美しい、しっかりとした箒が出来ている。

 

一番の素晴らしいところは、やはりSamaさん自身が「しっかりとしたものを作りたい」という想いを持って製作にのぞんでいることだ。

 

淡々と語るSamaさん。

 

とてもかっこよかった。

 

そしてとても謙虚だ。

 

着実に前に前に向かっていっている。

 

僕はものを作る人々に興味があるし、直接この目で見て、足を運んで訪ねたい。

 

お金ばかり掛かって大変だが、僕はこういう直接的な交流や繋がりを、一番に優先したい。

 

生産している人の事が知りたいと思うのは、僕だけじゃないと思う。

 

日本は忙しい人ばかりだろうから、僕はこれを伝えるのを仕事のひとつにして行こうと思う。

 

箒作りの話はこれでひとまず終わります。

 

実際に手に取って箒を見ていただける時、Samaさんを思い出してもらえるようになれば良いな。

 

とても良い旅でした。